Kenny Lattimore – Vulnerable
1988年にリリースされた”Maniquin”のリードボーカリストKenny Lattimore。ソロに独立してから早20年。
間、元嫁のChanté Mooreとのデュエットアルバムは器用さ上に幅広いリスナーに迎えられたと思いますが、真のR&Bファンは少し距離を感じたはず。いや俺だけかな。
しかし、戻ってきましたよジワジワと。優雅で強靭なテナーボーカリストの真髄。前作のAnatomy Of A Love Songでの完全復活はほんと嬉しかった。
2015年のその作品からあまりブランクをいれず、このアルバムをリリース。
これがまたいいんですわ。80年代の現代解釈といいますか。ところどころにクラシカルな趣が感じられます。全曲ミディアムアップ~スロウの編成ですが、SOS BandかMtumeかと思わせるナンバー”Priceless”の力強いビートとワザといシンセ使いはたまりません。ラストナンバーの”More Than Life”が一番好きになったのですが、やはりここも80年代的なゆったりしたグルーヴ感、そこに強靭な喉をあえて控えめに使い、優しく伸びやかに歌いこなす姿が垣間見え、最高に心地よいナンバーに仕上がったおりまする。
Phil Collinsのカバー、”One More Night”もあり。全10曲というミニマル且つ正統的な曲数もわかってらっしゃる。