Terry Huff and Special Delivery – The Lonely One

甘茶ソウル定番 Terry Huff and Special Delivery

ソウルファン感涙の名シンガーTerry Huff。1976年リリース、Al Johnsonプロデュースの”Terry Huff and Special Delivery – The Lonely One” 

リードシンガーTerry Huffはソウルファンにとっては特別な存在だというのは周知であろうか。

画像のように好きなので2枚買いだ(笑)

わたくしがソウルにかじりついてすぐに購入したアルバムであり、このアルバムそしてテリー・ハフの話題は仲間やソウルバーではいつも欠かせなかった。ナマズ髭やクラッシックギター、裏ジャケの写真にある寄り目の顔であったり、ビジュアル的にも相当インパクトがある。ネタであそこも立派な持ち主であるという下世話な話にも事欠かせなかった。


伝説のレコ屋 Ace Recordsでの常設コーナーに

大阪在住時、現在よりよくレコ堀に行っていた。東心斎橋にあった伝説のレコ屋「エースレコーズ」では「テリー・ハフ・コーナー」があって常時10枚以上ストックされていた。揺るぎない内容であるということをストック量や特別に設けられた棚割りだけで伝わってきた。残念ながらエースのおっさん(店主のことを友人とそう呼んでいた)はお亡くなりになり店も閉店したのであるが、このレコ屋との出会いはわたしのレコ堀り活動のいい思い出になった。

エースのおっさんとの出会いは最初、いい印象でなかった。俺は店で叱られたのだ。マナー違犯をしてしまった。

レコを掘るときストンストンと選ぶのはダメとディスクユニオンでも注意喚起してるが、それは当然しなかったものの、少し他のレコードに肘をつきながら掘っていたのだった。それを叱られた。ごめんなさいと謝りました。

オタクっぽい眼鏡をかけレジ前でボーっとしてるお姿は何か寄せ付けない感じ。ちょこちょこ買っても無言だし、嫌な客指定されたかな?って思った。

しかしある日、壁にかかっていたL.V. Johnson– We Belong Togetherのアルバムをレジに持っていった。(そこそこの値段であったが)

そこでレジ前のおっさんはいつものしかめっ面の顔とは別人になった。「君、ソウル好きなんだね~。よければこれからリスト郵送してあげるから住所知らせなよ。ありがとう。」その言葉を覚えている。なんだろう、販売者の立場なのに自分もソウルが好きで共感できるひととは心を打ち解けるんだって。面白い方だなって思った。

そんな堅物店主がいたレコ屋は今となってはいい思い出ではある。テリー・ハフ特別コーナーを設けたり、わけのわからんマニアしか知らないLPを壁に飾ったり、はたまた客に目を光らし怒鳴ったりする希有な店もいまは少なくなりほんとにレコードブームとはいえ寂しい現代ではある。


脱線したがこのアルバムはもう聴いてもらうしかない。甘さが漂うファルセットとは違って俺的には泣きのファルセットであり、スウィートソウルという概念をぶち破る声を持っていると。

脱退した後のSpecial Deliveryもナイスなアルバムを2枚リリースしており、こちらはスウィートソウルの定番アルバムである。2枚ともアンダー2,000円で購入できるかと。自身は謎のグループKLASで歌っているという説、それから82年にCome On Around / I Wish ‎というシングルをリリースしている。

前述のおかしなビジュアルやテリー・ハフを取り上げていたレコ屋やソウルバーの存在、本当に全包囲網で愛されたアルバムであり、これからもわたしのコレクションで鎮座続け、聴き続けるだろう。

hiroo

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