The Real Seduction – It’s Real
まったくプロモーションがなく多くのR&Bリスナーが知ることがなかった、所謂オブスキュアなボーカルグループ”The Real Seduction“
93年にAtlanticよりリリース。
90’s以降に秀逸なR&Bアルバムとして造詣が深い方々に発掘、再評価されるようになった。
私的な思い出では夜遊びしていた頃、クラブのR&BイベントでDJのdaddykayさんがこのアルバムの”Ain’t Nothing Wrong”をプッシュされていたことだった。強烈に圧のあるボーカルに跳ねるビートが印象的だった。
遅ればせながら自分でもこのアルバムを後に入手し、トータルで聴くとジャケットの野太い荒らしさが全体的に漂うものの、スロウが圧巻。
たとえばシングルカットされている”Baby Where Were You”ではテディペンダクラスのようなバリトンリードにナヨ声のコーラスのコントラスト、そして間奏に語りありで、これはまるで70’sのソウルグループのような定石で何度もリピートできる、こういう曲がアルバム全体のクオリティを押し上げているようだ。
R&Bアルバムではスロウで食いつき唸り声をあげてしまう自分だが(笑)6曲目の”All I Am”では複数のボーカルが入り乱れ、ここでもテディペン似野郎が「いやいや自分がリードだぜ」とオレオレ感を出しまくりで、これこそソウルだ!といいたげなナンバーに。正直、夏には熱すぎて聴きたくない(笑)
これだけでは終わらず次曲のスロウ、”This Is What I Would Do”では一発録り的なライブ感。言いようのない抑揚を感じ鳥肌が出た。このナンバーはマジで凄すぎで絶対彼らが目の前にいる錯覚まで陥ること必至。
アップでは戻るが”Ain’t Nothing Wrong”が珠玉。IntroのKenny Greeneがコーラスで参加。更に曲はHeavy D & the Boyzのメンバーがプロデュースとプロダクションに抜かりない。確かにピコピコ軽めなNJSしているビートはイントロと被ることもあるか。
このアルバム、以前はレア扱いだったが歌ものアルバムが安く手にいれることができる今はアンダー1,000円で売られており、90’sのボーカルグループを再認識されたいR&Bファンには超絶おススメです。