The Stylistics – (1971 Debut Album)

言わずもがなのスタイリスティックス(The Stylistics)のデビューアルバム。俺がソウルにはまってすぐに購入したアルバムだった。それまで90’s R&BもしくはブラコンをCDで購入し現行を追いかけていた。いつの日か当時営業職で得意先から直帰するタイミングでソウルバーに立ち寄ることが多くなっていた。

Soul Barで聴くソウルのアルバムの数々。R&Bとは違う、クラシカルな音は古臭いとは思わず、なんて芳醇な音の塊なんだろうと、そして美しいボーカルなんだって。雰囲気を楽しんでいたブラコンともスムースなグルーブに身を寄せたニュージャックとも全然違う。ソウルって深いな、掘り下げてみようっていうきっかけがこのアルバムだった。


すでにデルフォニックスで成功を収めていたトム・ベルが作詞家リンダ・クリードと作られたナンバーをフィラデルフィアのシグマサウンドスタジオで彼らが歌ったもの。もちろん売りはラッセル・トンプキンスJr.のファルセットだ。信じるかどうかは別だが5人組のグループながらラッセルのリードボーカルとメンバーのエアリオン・ラブのコーラスのみで録音されたという逸話がある。ということはあとの3人はステージ上でのパーフォーマンスだけ?となるが真実はわからない。またギャンブル・ハフ、バニー・シーグラーでコーラスをしてアルバムを作ったという話もある。違うメンツでアルバムを作ったてのはブラックミュージックでよくある話だが。どこまで本人達が関わったっていうのは当人しかわからない。

そのコーラスは別にしてやはりこのアルバムの凄さは美しく甘いラッセル・トンプキンスJrのリードと流麗なフィリーサウンドに尽きるだろう。

A1 Stop, Look, Listen (To You Heart)
A2 Point Of No Return
A3 Betcha By Golly, Wow
A4 Country Living
A5 You’re A Big Girl Now
B1 You Are Everything
B2 People Make The World Go Round
B3 Ebony Eyes
B4 If I Love You


1993年にR&Bクインテット、U-MyndによってカバーされたStop, Look, Listen (to Your Heart)は当時発狂するほど身の毛の立ったナンバーだった。原曲、鉄琴やホルンが散りばめられこんなの現代ではほぼ使わない楽器だ。そのナンバーにも似てはいるが刻むカッティングギターや悲しげなメロディに惹かれるBetcha by Golly, Wow、ダイアナロス&マーヴィンゲイや多くのアーティストにカバー、サンプリングされたYou Are Everything等、名曲の数々はファーストアルバムにして彼らの中で一番のアルバムと評価されているは当然か。70’sフィリーソウルを模倣したSilk Sonicの爆発的人気で音楽好きに再評価されているアルバムでもある。

hiroo

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