NICKEE B – 808 LOVE & LINN 現行フレンチ・ブギーの衝撃
きょうは最近レコードを買ってはジャケを眺め、実際にはSpotifyで朝から晩まで聴きまくっている現行フレンチ・ブギーの切り込み隊長Nickee Bの新譜です(笑)
タイトルは”808 LOVE & LINN”
そうです。80’s中期からマストなサウンド・プロダクト、TR-808とLinnDrumのネーミングから取ったタイトルです。そのノスタルジックな音が万遍に使用されています。
ちなみにインスト・トラックがありまして”808 Ways To Love” でSURFACEの”Happy”がネタとして使われており、思わずニヤリとさせられました。SURFACEといえば808使いの先駆者でした。こういう隠し味(隠してないですが)をまぶせる遊び心もいいですね。
日本語で歌う謎の女子「YUUKO」をフィーチャーした “Feelin’ The Beat”なんて世界的なシティ・ポップの潮流を逆手にとった日本の80年代愛を感じさせます。この歌は聴いてて癖になります。
アルバム全般的にはHoward Johnsonをゲストに呼ぶくらいですから、KASHIF系譜のミニ・ムーグからDX-7等のオールド・シンセサイザーを使用した82年頃のサウンドを重きに。さらに85年くらいまでのソリッドなファンク、Midnight StarやStarpointの削ぎ落されたファンクを網羅。これぞフレンチ・ブギーの神髄ともいえる音です。この手の音は過去こちらで推しまくっていたJAY DIGGSにも通じますね。
最近、TUXEDO Ⅳが発売され話題になっていますが、あちらはディスコ、パーティーナンバーが中心。確かにわたしも好きなんですが、ちょっと食傷気味な音なんですよね。これ言葉では表現し辛いのですが音数が多過ぎてスパンと切れた音がないんですよ。いや好きですよ、TUXEDOも。でも今はこのNickee Bのこだわりヴァイブスに感動してるのです。
Nickee B、1枚目のアルバムは限定700枚のLPが即完売だったようで非常に欲しいところ。CDはそれよりも手に入りやすそうなのでまた機会があれば聴いてみようと思います。1枚目はジャパニーズ・スリーブ、アニメ調スリーブ盤なんてあったりして、なぜが日本をいちいち意識した姿勢が微笑ましいです。
現行のR&Bやクロスオーバーなファンクに何か物足りさを感じた、もしくはやっぱり80年代のこの時代の音が好きで今新鮮に感じるひとに超おススメです。