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Melba Moore – What A Woman Needs

HUSH系プロダクションの切り込み隊長として華を咲かす重要作。81 年作でR&Bアルバムチャートでは46位。

私的にはこのアルバム前のMelba Mooreにはあまり興味がない。ミュージカル女優としてキャリアをスタートさせヴァン・マッコイ”This Is It”等が有名でしょうが。その後ラリー・レヴァンがParadise Garageでヘヴィ・プレイしていたとされる78年の”Pick Me Up,I’ll Dance”がMcFadden And Whitehead作品でヒット、自分にはどうにもノリ中心のナンバーに辟易するタイプ(ベタなディスコが苦手)でスルーしてしまう。

そしてこのアルバム。基本McFadden And Whiteheadがプロデュース。彼らのブギー、”Let’s Stand Together”の1曲目に尽きるのですが、これが81年としてはなんとなく泥臭く、”Ain’t No Stoppin’ Us Now” に通じる、緩くていい意味で70年代のディスコの匂いを継続しているナンバー。この後のメルバの洗練されたナンバーからは遠いのだが。

このナンバーのダサかっこ良さを打ち消すようなナンバーがA面ラストにある。”Take My Love”がそれである。Kashifによるナンバーで、これこそ快進撃を続ける序章作といって過言無いだろう。Kashifが奏でるMoog Bassがボトムを締めながらも煌めくようなシンセが心地よく、ここには自分が追い求める「都会的で洗練されたファンク」があり何度聴いても脳天に衝撃を覚える(笑)

Jay Diggs – 新しい80’s レトロ・ファンクの使者

昨年末からTwiiterにてブラックミュージック好きの方々で話題になっていたJay Diggs

その前からSpotifyの連携で好事家達には存在が知れ渡っていたが、”Jams”という初アルバムのリリースが11月にあってから本格的に80’sファンク・リスナーに周知されたようです。私もほぼノーマークだった・・・というのが少しビデオクリップを見ていたら宅録で趣味の延長でやっているのかと感じ、しっかりサウンドをチェックしてなかったのが本音


2021年11月に初のアルバム”Jams”をリリース

ところがJay Diggsのニューアルバム”Jams”・・・凄いんです。グルーヴがミッド80’sのファンクそのもの。Kashifや初期Jam&Lewisそのもの。Kashifの83年作”Stone Love”のリフそのものだったり、はたまたJam&LewisがかかわったSOS Bandの贅沢なシンセ、浮遊するような音空間を模倣したり、ベースラインがKeni Burkeかと思わせたり・・・いちいち引っかかるフレーズや多く終始ニヤリとさせられるのです。狙ってるんでしょうね〜80’sのそのあたりが好きなリスナーの琴線をくすぐることを。いや、単に自分がやりたいことをそのままやってしまったというか。ご本人のコメントもニッチ路線を狙ったとあります。なるほど

80’sのファンクをベースに活動していたと思い出すのがDonny BenetやフランスのMagooがいるが、今聴いて感じているのは先人へのリスペクトとメロウな仕立てが彼らを超えているのではないかということだ。これは自分にとっては凄いやつが現れたと


Jay Diggsの経歴は・・・

まだまだJay Diggsの情報は少なく、どんな経歴なのかは計り知れないのですがVoyageLAによると本名Justin Diggs、幼少期はヒップホップにのめり込み父親のスタジオでトラック作りを(金持ちのボンボンか?笑)、12歳の頃ピアノを習い始めてからR&B・Soulの世界にシフトしたらしいです。その後、合唱団に入り音楽スキルを高め大学進学後は地元のアーティストに楽曲を提供したとか。しかしその後、何にお金が必要だったのかわかりかねますが日雇いをしながら生活をしていき音楽と離れた時期もあったようで。

容姿はというとちょい度のキツめの眼鏡をかけていて、特にスタイリッシュな姿ではないので笑、逆に好感を持てました。ほんとに80’sとアーリー90’sが好きで自宅で篭りながらコツコツと音楽を製作したという雰囲気を醸し出しています。

このアルバム”Jams”、今のところフィジカル盤はCDとレコード、そしてカセットテープがありとのこと!レコードは欲しいですね。

ネットでの情報ではCDはCD-Rだったとうことで少し残念ですが、是非プレス盤で再発売していただき、なんならP-VINEあたりから日本盤で発売して欲しいですね。

レコードを入手しましたらまた記事にしたいですが、あまりにも好きなナンバーが多いので先にYouTubeを沢山はっておきます(笑)

Paul Laurence ‎– Underexposed (1989 Capitol Records)

きょうはRandy Hallに引き続き変な髪形野郎シリーズでPaul Laurence。よく見るとそんなに変ではないw 。しかしこの時代後ろ髪を長くするのは流行りやったんかな。
Pau Laurenceに関しては語り尽くせない程の仕事量のあるプロデューサーなので、今回は活動履歴は割愛させていただきます。
が、近年でいえばLillo Thomas – Come And Get Itでの製作でまだまだ衰えしらずといった感じでしょうか。Kashifとのプロダクションがあまりにも有名でOrpheus Musicを中心としたアーティストに関わっている傍ら、自身のソロアルバムも溢れる才能からくるご休憩程度の仕事でありますかな。
1989年、Capitol Recordsからの2ndアルバム。なにせワンコとの2ショットが印象的でありました。俺ならニャンコとの2ショットを選ぶがそれではかっこよさよりもほのぼのした雰囲気でソウルから逸脱するかw

まずはA面にあるMain Courseを聴かないとね。カバーしたFreddie Jacksonのバージョンを皆様は耳にしてるかな。穏やかなコーラスとリフが印象的な名曲。
https://youtu.be/fv9rKuEM9S8

それに続くB面の完成度が凄い。1990年にThirstyというアルバムを残しているJanice Dempseyとのデュエット”Cut The Crap”がクワイエットストームなメロウトラックとなっており聞き惚れてしまう。
https://youtu.be/uFgM2u8u7kk

ソロ作は自分のシーンにおける立ち位置の確認なのかもしれない。しかし、このひとはFreddie JacksonやMelba Moore、Howard Johnson等の80’sにおけるメインストリームといわれるシンガーを確固たるポジションに押し上げた仕事の素晴らしさを再評価されないといけない。

Kashif / Kashif (1989)

令和初日は雨模様です。いや朝は晴れたかな。さてこの時代、何かが変わるのでしょうか。変えていかないといけないことも多々あるような。個人的にも社会的にも。

きょうはKashif。何気に亡くなったのはショックであった。まだまだ裏方でも仕事ができたのに、59歳、この世から去るのは若過ぎる。
このアルバムは89年作、Evelyn “Champagne” KingやGeorge Bensonらを製作していた頃のアーリー80’sに比べると得意のNYサウンドは時代にそぐわなくなったが、その分もうひとつの得意とするとろけるようなバラッドづくりに焦点を絞るとまだまだ存在感はあった。

このアルバムで一番好きなナンバーはAfter You。Guinnの女性ボーカリストLori Fultonをコーラスに迎えたこのナンバー、起用が功を奏し見事に甘いミッドに仕上がっている。

Four Topsの72年にヒットしたシングル、 Ain’t No Woman (Like The One I’ve Got)をカバーしたのも面白いアプローチ。ニュージャックを意識したPersonalityもいいけど、やはりLove Letter Out Loudのようなブラコン真っ芯なバラッドがこのひとの魅力。

脱線するが、昔、兵庫の六甲道にKashifというBarがあったらしいのだが、行ったこともないしいつの間にか閉店していて非常に残念。どんな店やったんやろなぁ。

Melba Moore / Never Say Never

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  1. Love Me Right
  2. Keepin’ My Lover Satisfied
  3. Got To Have Your Love
  4. Livin’ For Your Love
  5. It’s Really Love
  6. Never Say Never
  7. Lovin’ Touch
  8. Lean On Me

連休は連休でなくなったので、なんだか体調を崩し気味。緊張感と開放感が交互に訪れて、調子狂うな~。
今日はゆっくりしています。

Melba Mooreが今年のヘビーローテーションになっています。なぜなら必須と云われる80年代の名盤が再発になったから。LPで持っていなかったNever Say Neverをずっと聴いています。なんで、こんなアルバムを早くに買っていなかったんやろうと猛省。素晴らしいアルバムです。もしかして彼女のアルバムの中で一番好きかも。
愛聴していたベスト盤This Is itにはこのアルバムから3曲(1,2,4)入っていて、それぞれのポテンシャルの高さに期待は膨らむばかりでした。
アルバムを通しで聴く。うーん、これは凄い。サウンドの肝ともいえるKashifのブレーンがいい仕事っぷりをしています。LALAとPaul Lawrenceが深く関わっているのですが、二人とも後期のブラコンまったりものより、この時代のダンサーのほうが絶対にいい仕事をしていると思います。
いわゆるHushプロダクションのブレーン以外にDaytonのRahniまで参加。NY系の要人だらけですね。ここまで製作陣を固めることができたのも、彼女がHushの社長の嫁であったということもあったかもしれません。

83年という時代もよかったのでしょうか。楽器が微妙に進化し、わたしの好きなシンクラヴィアが多用されています。楽曲の良さとMelbaの快活で伸びやかなボーカル、これぞケミストリー。
圧巻は5~7のダンサー3連打でしょう。タイトルナンバーを挟むこの3曲、終始、洗練した楽曲に脳天を刺激され、陶酔しながら踊れるナンバーです。