多用するサンプリングについて、自分はそんなに奥深くFunkを聴いてなかったこともあり、実際にはこんなところでこのネタ、この下敷き、といった発見が数年経ってからあったな。例えば1stのGood Lifeでは T.S. Monk’sの “Bon Bon Vie”をずばり使っていたのも、そんな曲、知りませんでしたwといった具合でしたから。そんなサンプリングを知らなくてもなんというオリジナル化された融和な完成度、さすがテディと唸るしかありません。
この2ndアルバムからメンバーチェンジ。そう激烈シンガー、Mark Middletonの加入です。70’sスウィートマナーに傾倒していた自分には”Never Gonna Let You Go”にある、脳天が痺れるファルセットに相当やられた口です。痺れさすだけでなく、なんとも穏やかにもさせてくれる柔らかな”Happy Song”も最高です。
1曲1曲の完成度もしかり、アルバムとして1曲めから続けて聴く必要があります。劇場なんです、この1枚は。最後にThe Lord Is Real (Time Will Reveal)を持ってくるあたり、聴き終えた後の程よい疲労感は満足感ともいえます。
このナンバー、DeBargeのそのナンバーなのですが、”Don’t Leave Me”でも”A Dream”をそのまま使っているあたり、テディのDeBarge好きは半端ないっすねw
Just The Way You AreやGrenadeのBrunoはまったく過去に放り去ったのか、もうこの路線でいって欲しいと思うよ。24K Magicがミッド80’sなところで、それ以外が80’s後半から90’s初期ときたもんだ。しかもR&Bのみ。ビシビシのファンクはなく、中期Jam&Lewis作品に通じるもの、BabyfaceのDeele時代の仕事っぷりや、90年代のNJSもあるので86年~92年あたりを掘っているな。これは本当に面白い試みで、ようは現代では一般的にはまったく見向きもされないR&B時代を掘りおこし、メジャーレーベルでリリースしちゃったという。こんなの売れる奴だからこそ許される試みやね。
33分全9曲という短さも、まさに80’s~90’sのアルバムを意識してる。ジャケットデザインも大理石の帯でしょ。これBobby BrownのDon’t be cruelと同じ使い方よ。しかも同じ9曲で裏ジャケットも同じテイストでトラックリストな並んでいる。
Bobby BrownといえばNew Editionで、しかも8曲目FinesseがNJSそのものであり、付け加えるとイントロは同じくNew Edition出身のBell Biv DeVoe-Poisonときたもんだ。
イントロ以外がこれまたBabyface-Tender LoverやKeith Sweat- I Want Herを彷彿させる。 Teddy Rileyが多用していたオーケストレーションが入り、嬉し涙ちょちょ切れ。
Brunoは事実、Bobby Brown-Every Little Stepをライブでよくやっているので、このナンバーが出来上がるのも納得なのだが、凄いのが今の時代メジャーでNJSをやってのけるアーティストがこいつしかいないというところだ。
どのナンバーが何のオマージュというのはキリがないのでやめておきたいがw。
全曲いいので、切り刻む。 Chunkyのコーラスに女性ボーカルを入れてるところがKut Kloseを使うKeith Sweatっぽい。このナンバー、ベースラインが本当にいいし、メロディー、コーラスともに最高。
JBっぽいPermを飛ばし、That’s What I Like。このナンバーも素晴らしい。楽曲がPretty Rickyっぽくスカスカでわざとチープなシンセを使っているのだが、ボーカルグループのような仕立てで後半の盛り上げ方にも身震いする。
Versace On The Floor。バブル時代のブランドを身にまとう女性に今すぐ肌けてごらんという、この24K Magicに相応しい歌誌である。また楽曲がいい。ブラコン時代のような合間のギターフレーズやMichael Jacksonを彷彿させるボーカルワーク等、いろんなあの時代の煌くものが凝縮されている。どこかでFreddie Jacksonのナンバーっぽいと記されていたが、オッと思った。そういえばRock Me Tonightの音っぽい。HUSHプロダクションの時代はこんな音だったぞ。
ラストのToo Good To Say GoodbyeはBabyfaceがプロデュース。ブルーノがHe’s My Heroと尊敬してやまないBabyfaceと仕事だ。そら製作の時点で熱く入り込んだろう。美しいメロディー、透き通るコーラス、熱いブリッジ、泣けるエンディング、まさかまさかのBabyfaceとBrunoとのナンバー。