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Tabu Nights II – ジャム&ルイス タブーレーベルでの仕事

Tabu Nights IIはジャム&ルイスの初期ワークスであるTabu Recordsレーベルでのナンバー、オムニバス盤です。

わたしはライブのことを知らなかったのですが今は無き有明MZAでのライブ”Tabu Nights”の2度目の記念盤だったのこと。最初はこのCD自体が2枚目の企画?って思っていました。看板のAlexander O’NealとCherrelleが来日してたとか。

いつの時代にもTabuレーベルはCD全盛期には取り上げられていましたね。2013年の再発50タイトルでしたか、すごいことになっていました。

この前創業者のクラレンス・エイヴァントがお亡くなりになりましたが、またTabuが取り上げられるイベントもあるかもしれません。

ジャム&ルイスと同じバンド「フライトタイム」に所属していたことが有名なアレキサンダー・オニールや1980年リリースのTake Your Timeのヒットで一躍有名になりジャム&ルイスの制作曲”High Hopes”からの躍進が凄いSOSバンドのナンバーが多く取り上げれておりタブーレーベル好きというか、それよりもジャム&ルイスが好きという方に訴求できるCDでした。

プリンス直系バンド”The Time”に所属しながら副業で始めたと言われる制作活動。タブーに限ればSOSバンドがきっかけかと思いますがそれ以前のソーラーでの仕事、クライマックスのアルバムとかもナイスなファンクを届けてくれいる。以降、タブーとは別にChange、Cheryl Lynn、そしてJanet Jacksonと数々の名曲を生み出してくれました。

個人的にはタブー作品も含めた初期ジャム&ルイス作品で2枚組のワークスアルバムとかリリースされたら超絶嬉しいのですがないでしょうね汗(私ならChange,Pia Zadora,Human Leagueを必ずセレクトします笑)

このアルバムは専属作家としてタブーでの仕事だけの作品集ですが、これだけでも煌めくシンセサウンドに酔ってしまいます。


Tabu Nights II

  1. Fake 88 (House Mix) | Alexander O’Neal
  2. Criticize (Remix) | Alexander O’Neal
  3. Saturday Love | Cherrelle & Alexander O’Neal
  4. Never Knew Love Like This | Alexander O’Neal & Cherrelle
  5. Keep It Inside | Cherrelle & Alexander O’Neal
  6. I Didn’t Mean To Turn You On | Cherrelle
  7. Everything I Miss At Home | Cherrelle
  8. If You Were Here Tonight | Alexander O’Neal
  9. Just be Good To Me (Vocal Remix) | The S.O.S. Band
  10. The Finest | The S.O.S. Band
  11. Thank You For A Good Year | Alexander O’Neal

一時、CDをブックオフでかなり見かけたのですがさすがにもう年代(リリース時1990年)的にも見かけないですね。しかし・・・

2015年に日本のDJ・ライターであるJAMさんとICEさんのお二方がコンパイルしたオムニバス盤、”THE BEST OF JAM & LEWIS WORKS ON TABU RECORDS”が発売!なんとタブーナイツより5曲も多い全16曲の圧巻内容。

The S.O.S. Band – High Hopes

The S.O.S. Band – Tell Me If You Still Care

The S.O.S. Band – Weekend Girl

という垂涎ものなナンバーが加わっております。

ということはTABU NIGHTS IIに少々物足りなさを感じていたジャム&ルイスのファンの皆様には超おススメ。そしてジャケットも前のオムニバスにリスペクトした感じでいいんです。

Boyz II Men – Full Circle

Sam Salterのお蔵入り盤”The Little Black Book”のColor Of Love (The Color Of Loveにタイトル変更)がBoyz II Menによって歌いなおされたというのはR&B好きならご存知かと。

今回はそのColor Of Loveが入ったFull Circle。LA Reidがエグゼクティブプロデューサー。

このアルバムはモータウン・レコードを離れ、アリスタから発売となった。そしてベース・パートのマイケル・マッカリー最後のボーイズIIメンのアルバム。

前作までのスタジオアルバムがことごとくゴールドもしくはプラチナを取ったのだが、このアルバムはUS総合10位、R&Bチャート5位までの結果となった。売上とは反して従来のR&Bファンには高評価だったような記憶がある。


残念ながらこのアルバム以降は失速してしまう。なにげにといったら語弊があるけどバリトン担当のマイケル・マッカリーの存在は大きいと思う。コーラスグループの定石といえばファルセット、バリトン等それぞれのパートの役割は大きい。このアルバムは以降は病気の問題で脱退するがだからといってバリトン担当を新しく迎えているわけでもない。マンハッタンズでいえばブルーラヴェット不在の状態。この体制はきつい。


ヒップホップやファンク要素を取り入れているが彼らがやるとどれも本格的なものではなく、ソフィスティケイトされたものになっている。フェイスエバンスを迎えての1曲目Relax Your Mindは最たるナンバーでいつの時代にも輝くライトファンク。DeBargeネタだからよけいにいい。それもいいけど魅力的なのはクラシカルなコーラスが際立つナンバーかな。8曲目Right On Timeではこれぞモータウン出身といったタイムレスなナンバーを届けてくれる。プラス、元々彼らを育てといっても過言でもないジャム&ルイスとの相性の良さ。That’s Why I Love Youは特に好きで私的にはマストナンバー。この曲でも低く唸るマイケルの存在は大きい。

彼らの良さを熟知したLA Reidが総合的にうまく調理したといっていいかな。見過ごしがちなボーイズIIメンのアルバムだが俺は大好きだ。

Jay Diggs – 新しい80’s レトロ・ファンクの使者

昨年末からTwiiterにてブラックミュージック好きの方々で話題になっていたJay Diggs

その前からSpotifyの連携で好事家達には存在が知れ渡っていたが、”Jams”という初アルバムのリリースが11月にあってから本格的に80’sファンク・リスナーに周知されたようです。私もほぼノーマークだった・・・というのが少しビデオクリップを見ていたら宅録で趣味の延長でやっているのかと感じ、しっかりサウンドをチェックしてなかったのが本音


2021年11月に初のアルバム”Jams”をリリース

ところがJay Diggsのニューアルバム”Jams”・・・凄いんです。グルーヴがミッド80’sのファンクそのもの。Kashifや初期Jam&Lewisそのもの。Kashifの83年作”Stone Love”のリフそのものだったり、はたまたJam&LewisがかかわったSOS Bandの贅沢なシンセ、浮遊するような音空間を模倣したり、ベースラインがKeni Burkeかと思わせたり・・・いちいち引っかかるフレーズや多く終始ニヤリとさせられるのです。狙ってるんでしょうね〜80’sのそのあたりが好きなリスナーの琴線をくすぐることを。いや、単に自分がやりたいことをそのままやってしまったというか。ご本人のコメントもニッチ路線を狙ったとあります。なるほど

80’sのファンクをベースに活動していたと思い出すのがDonny BenetやフランスのMagooがいるが、今聴いて感じているのは先人へのリスペクトとメロウな仕立てが彼らを超えているのではないかということだ。これは自分にとっては凄いやつが現れたと


Jay Diggsの経歴は・・・

まだまだJay Diggsの情報は少なく、どんな経歴なのかは計り知れないのですがVoyageLAによると本名Justin Diggs、幼少期はヒップホップにのめり込み父親のスタジオでトラック作りを(金持ちのボンボンか?笑)、12歳の頃ピアノを習い始めてからR&B・Soulの世界にシフトしたらしいです。その後、合唱団に入り音楽スキルを高め大学進学後は地元のアーティストに楽曲を提供したとか。しかしその後、何にお金が必要だったのかわかりかねますが日雇いをしながら生活をしていき音楽と離れた時期もあったようで。

容姿はというとちょい度のキツめの眼鏡をかけていて、特にスタイリッシュな姿ではないので笑、逆に好感を持てました。ほんとに80’sとアーリー90’sが好きで自宅で篭りながらコツコツと音楽を製作したという雰囲気を醸し出しています。

このアルバム”Jams”、今のところフィジカル盤はCDとレコード、そしてカセットテープがありとのこと!レコードは欲しいですね。

ネットでの情報ではCDはCD-Rだったとうことで少し残念ですが、是非プレス盤で再発売していただき、なんならP-VINEあたりから日本盤で発売して欲しいですね。

レコードを入手しましたらまた記事にしたいですが、あまりにも好きなナンバーが多いので先にYouTubeを沢山はっておきます(笑)

CHANGE – PARADISE: THE ULTIMATE COLLECTION (1980-2019)

イギリスの大手レコード会社であるDemon RecordsからリリースされたChange: Paradise – The Ultimate Collection (1980-2019)

このレコード会社はソウルの再発も行っており、例えばLet Me Ride – Windy Cityというソウルファンマストなアルバムなんか扱ってたりする。

Soul / Funk好きなら決して通り過ごせないイタリアとアメリカのスタジオミュージシャンによるグループ”Change”。Luther Vandrossのリードボーカルである”The Glow of Love”は誰もが知るダンスクラッシックであるかな。

この2枚のレコードには1980- 2018までのキャリアのうち19曲がピックアップされている。2018年?ってそんな最近まで存続してたのかと思ってしまうがDavide Romaniのプロデュースで1990年に録音されながらCD化されなかった(後2010年に限定販売)Change Your Mindを除くと実質の活動時期は85年の”Turn On Your Radio”までが本キャリアとなろうか。そして2018年に ”Love 4 Love”で突如として復活した。自分はこの復活アルバムは今までの最高傑作の一枚と思っている。

“Paradise”や”The Very Best In You” というヒットナンバーは勿論ピックアップされているが、忘れてはならないJam & Lewisのプロデュース作品である”Change Of Heart”と” You Are My Melody”のミラクルなナンバー2曲がちゃんと挿入されいる。

Jam&Lewisといえばシンセを駆使した音の贅沢な空間が色めき立つナンバーが魅力。私的にはJanet Jacksonでブレイクした1987年頃より少し前の時代、S.O.S BandやこのChange、初期Alexander O’nealやHuman League等のポップフィールドも制覇したMid 80’s作品はもっともっと注目されるべきだと思う。もちろん時代関係なくどの作品も凄いんだけどね。

今年はJam&Lewisの初リーダー作品がリリース予定で、最近ではBabyfaceとのコラボや春にはStokley(Mint Condition)のニューアルバムも手掛けているとのことで活動が活発化している。

アルバムは180Gのヘビーウェイト2枚組、そしてアートワーク、デザインは Greg Portoによるアイコニックなものとなっている。

今までもChangeのベスト盤はあったにはあった。しかし今回はなんとレコード、そして最新作である”Love 4 Love”から新たにミックスし、よりフロア向けに仕立てられたナンバーが4曲ピックされているのはファンにとっては嬉しいコレクションになるのではないかな。

Johnny Gill / Game Changer II

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Johnny Gill – Game Changer IIが発売になりました。前回のアルバムは2014年ですからそれから5年ぶりということでしょうか。間にNew Editionの新譜製作も噂がありましたが、それは頓挫したようです。5年っていうブランク、もう大御所なのですからそれくらいはあってあたりまえなんでしょうけど、アルバムコンセプトの決め事、楽曲を煮詰めてスクラップしていく作業など、時は経ってしまうのでしょうか。

前作Game Changerでソウルファンに捨て曲と批判されていたEDMナンバー”Guinevere”がありましたが、今回はそれに匹敵するソウルとはほど遠いナンバーが2曲、レゲエ調の”Only One”と、ラテンの影響を受けたパーカッションを披露するシーラEと、カルロスサンタナとのコラボ作品”Fiesta”「フィエスタ」に腰が抜けてしまいました。ジャンルレス、といえばそれまで。こういう挑戦的なナンバーがアルバムに必要なのでしょうか。お祭り騒ぎが好きそうなジョニーギルなのでアリなんでしょうけど、ライブだけのナンバーにしてほしかったな。

中盤にある”Best Thing”ももひとつですが、前述の2曲と同じくこの作品もElvis Williamsのもの。どうやらこの新プロデューサーはBeyoncéやCiaraを手がけている人気プロデューサーらしく、その抜擢がいまいちジョニーと相性が良くないのではと思いましたね。

いろいろと要求が高いですが、それはファンだからこそ。いつも極めて欲しいのですよ。

それ以外のナンバーは最高です。前作から引き続き相性のいいGregg Paganiとの作品がメインで、ラストはなんとJam&Lewisです。

3 Soul Of A Woman
4 Perfect
5 Bed On Fire
7 Favorite Girl
8 Lose A Lover, Keep A Friend
9 That’s My Baby
10 Home
11 So Hard

3曲抜いたリストですw

8曲ですか。これだけのナンバーがあれば十分このアルバムは「買い」でしょう。

シングルカット”Soul Of A Woman”はジョニーの音楽史に残る名曲だと思うし、盟友関係にあるRalph Tresvantとの”Perfect”はNEファンにとっても嬉しいもの。

そして一番のナンバーは”That’s My Baby”でしょう。これはLuther VandrossのSuperstarのように感じませんか。女性への賛辞、人の憂いに謳うルーサーそのものでオマージュと捉えるべきでしょう。ラストにはMy My Myと繰り返しあのナンバーをも思い起こさせる迫力です。圧巻のバラッドでした。

“Bed On Fire”はベッドで燃え上がる、50歳を過ぎてもまだまだ盛んな自身の腰使いを歌った熱くエロく迫るナンバーで、アホみたいに吠えすぎです。

そしてBabyfaceやAfter7ファンも歓喜、After7のKevon Edmonds参加”Home”はアンクル・チャーリーことCharlie Wilsonのような歌い方のジョニーと甘い喉のケヴォンの対比が美味しいナンバーでした。

最後に。プロローグからエピローグまであってのひとつの作品というアルバムとしてのコンセプトはジョニー自身から感じとれました。「音楽を通して女性を尊重することを常に優先事項にしている」と公言し、それをアルバムコンセプトにしているのも伝わりました。ルーサーヴァンドロスが亡くなったのが54歳、ジョニーももう53歳、今、自分がどういう立場でR&B SOULの世界で人々を引き付けていくかを体現しているに違いありません。