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Naul – Principle Of My Soul

微妙な隣国ではあるが

韓国っていうだけでなんだか拒否反応する日本人も多いかもしれないですが、そんな私も今の統一教会の問題や難癖をつけるようなわけのわからない日本が謝罪し賠償しなければならないのかという韓国併合の遺恨など、国で見れば決して好きな国ではありません。でも芸術、音楽は別・・・っていう意識だけはあります。

ていうことで今日は韓国のR&B No.1ボーカリストと評価されているNaulのオリジナル・アルバムを。その2nd作です。(オリジナルアルバムとしては1st)

このブログでも彼の3rd作”Sound Doctrine”を熱く語りました。おそらくNaulのことをブログにしたのは日本で数人です。


アジアで屈指のボーカリスト”Naul”

韓国っていう国はフィリピンもそうであるが英語の発音力が日本人より格段高い。だから言葉の違和感がないので、スムースに聞けるのである。韓国語のナンバーもあるが英語のナンバーが半分くらい占めるのでまるでUSのアルバムを聞いているのことかごとく錯覚する。これはフィリピンのこれもR&BシンガーであるJay Rにも通じる。このNaulも相当英語がうまい。

Naulに関して多く語らないが2003年にデビューした4人組のR&Bグループ”BROWN EYED SOUL”のリードボーカリストである。日本ではAvexに所属している。久保田利伸からもアジアでNo.1ボーカルグループと称賛されていた過去がある。今は知らんけど。BROWN EYED SOULは長く活動していて2019年にはオリジナルアルバム”It’s Soul Right”というミニアルバムをリリースしている。

2nd、Sound Doctrineの方が練られて製作されたのか、はたまたEnchantment – Gloriaの取り上げ方が絶妙であったか比べたら軍牌が上がる。しかし、こちらも「R&B愛」の一面を垣間見るナンバー揃いでかなり聞き応えがあります。韓国でチャートNo.1になった邦題”風の記憶” “Memory Of The Wind”が挿入されている。

韓国語に拒否反応のある方には辛いナンバーであるが、私的にはありで抑揚のあるブリッジ部などはグッとくる。さすがの表現力である。歌全体で言えば大風呂敷を広げた感ありで昔のバラッド風味には間違いないが。


風の記憶は自国向けにはいいナンバーであるが、ここはR&B目線でアルバムの代表曲をあげると正統派フィリーサウンド、Stylisticsのナンバーとどう違うのか激似しているYou & Meがある。フレーズで言えばMomentsのNot On The Outsideのナンバーにも似ておりそれらを通ってソウル好きになった者にはたまらないナンバーとなっている。正直これだけでもこのアルバムは買いで後半の抑え気味ではあるがファルセットパートの盛り上げ方は涙腺崩壊になる。続くMy Girlという曲も絶妙なスムーストラックでどこかフュージョンっぽいGeorge Dukeが醸し出すようなイントロから鷲掴みさせられる。もちろん熱いNaulのボーカルが後半ありでスムースな味わいだけでないR&Bナンバーとなっている。


アルバムのコンセプトがいい

アルバム全体通して極力デジタルな打ち込み感のあるナンバーがほぼなく、ちゃんと生バンドの楽器をメインとした構成になっておりそれも相当な演奏技術の持ったミュージシャンを抜擢しているのが伝わる。ここまで本格的なR&Bアルバムを自国メインでリリースするのは勿体無いなと感じる。もちろんここ日本では普通にアジア括りで購入できるが購入の困難なUKとかで騒がれてもいいアルバムであるが、今ではサブスクで広めることができこの後の2ndアルバムはかなり高評価なコメントも見かける。ここではあまりカッコよく語りたくはないが、UK,USという国括りで聞くのではなく広い視野を持ってR&Bを楽しむのをお勧めいたします。


NIKI – Every Summertime

たまたまYouTubeを閲覧していたら、次にどうぞ的に上位にきたNIKI

知らず知らずクリックするとサウンドの温かみとコケティッシュな甘いボーカルが耳に飛び込んできた。ビデオクリップも父さんと子供がのんびりカセットテープを聴きながらドライブ。そのほのぼのした映像と耳触りのよい70’sなサウンドに引き込まれた

ちょうどSilk Sonicの2ndシングル、Skateをヘビロテしてる時であった

調べるとNIKIなる女性はインドネシア出身のR&Bシンガーで現在はアメリカを拠点とする88risingなるアジアのカルチャーシーンを世界中に発信するレーベルに所属、4~5年の活動は既にしているようだ。検索すると出るわ出るわ90’sディーバなナンバー

なんだかアジア目線でいうとクリスタルケイのようだし、South borderと活動していたフィリピンシンガーJinky Vidalのような透き通る声も感じ、ノスタルジアな気持ちにさせられるアジアの女性だ。彼女は90’sのR&Bが好きとのことで最近また注目されているAaliyahをよく聴いていたようだ。


Every Summertime

そしてEvery Summertimeを今年の8月にリリース。なにせサビを聴いてほしい。涙でしょ、このコーラス、そしてクラシカルなサウンド。

このビデオクリップ、ほぼお父さんとのドライブシーンで車に揺られながら楽しんでいる男の子に注目するが、寝てしまって帽子を目深にかぶってしまう姿、そしてラスト、お父さんのレコードコレクションを自分でかけて知らず知らず寝てしまう姿、など本当に無邪気で可愛い。ナイスなキャスティングだ。

とにもかくにもここまでの70’s Soulな音楽を映像と共に届けてくれたNIKIとレーベル、これからも注目したい。

Naul / Sound Doctrine

naul-sound-doctrine

Naulの新譜”Sound Doctrine”がとうとう到着しました。衝撃のEnchantment-Gloriaのカバーを聴いて以来、アルバムがリリースされば必ず手に入れると決めていたアルバムです。
Naulは韓国人ですので、この投稿カテゴリーは”Asia”にしましたが、これはまさしく”R&B”です。

シングルカットされた「Emptiness in Memory」と「Gloria」そして「Baby Funk」はもちろん挿入されています。
わたしがブラックミュージックにはまりファンクのアルバムを購入していた当時、アルバムに1曲衝撃的なナンバーがあり他曲が駄作であっても、それは「買い」でしたので、Naulの場合既に3曲とも最高だったので、買う前からこのアルバムはマスト盤の位置づけでしたw

そしてどうでしょう。全曲通して聴いてみますと、それはそれはブラックミュージックへの憧憬に満ちた素晴らしいナンバーの数々。トラックです。

1 Soul Walk
2 Heaven
3 Spring Song
4 Baby Funk
5 기억의 빈자리 “Emptiness in Memory”
6 Stand Up
7 Blue Wing
8 Gloria
9 널 부르는 밤 ”Feel Like”
10 Comforter
11 널 부르는 밤 (Extended Version) [Hidden Track]
12 I Surrender All (Translate Version) [Hidden Track]
13 Sound Doctrine [Hidden Track]

11~13はCDのみの隠しボートラになっていますので、アルバムとしては全10曲といった佇まい。アルバム作品としてコンパクトにまとめたのでしょう。
先述に「憧憬」という言葉ありましたが、2010年にリリースされたEric Benet-Lost In Timeのアルバムも70~80年代のソウルミュージックに対しての憧れを募らしたうえに出来上がった作品。アルバムコンセプトはそれに似ているのです。しかも3曲目、”Spring Song”はEric Benetの”Never Want to Live Without You”にリスペクトされたのかのようなエレキシタールの使い方、ファルセットを駆使したボーカル表現力、優しいコーラスといいNaulはEric Benetと重なるパーツが多いのです。本当に鳥肌が立つナンバーです。
「俺ってソウル好きなんだ」ていう気持ちだけでアルバムをつくることなんてできません。Naulの場合、少年期から異常な程、70’s~80’sのSoul、Funkを聴きまくり歌い続けてきたのでしょう。
黒人音楽の普遍性やノスタルジーを自ら表現したアルバム、Eric BenetのLost In TimeとこのNaulのアルバム、リスナーの欲するものがわかっている2枚です。
EnchantmentのGloriaをカバーするなんて普通じゃできません。
EnchantmentをとりあげたJesse PowellやGuesssといった本物の黒人ならまだしも、Naulはアジア人ですよ。そういった点は嗜好は違いながらもプエルトリコ系フィリピン人のBruno MarsがR&Bでグラミー賞を総なめし、人種を超えた活躍の爽快感となんら変わらないじゃないですか。わたしはNaul自身を写真で見なければ、黒人と間違っていたでしょう。

Spring SongとFeel Likeは韓国語で歌うパートが多いのですが、この2曲がシングルカット以外にこのアルバムのグレードを押し上げている名曲と感じたことを述べておきます。

最後に、届いたCDのパッケージがアーティスティックだったので画像を貼っておきます。何やらNaulはビルボードチャートをノートに書き留めていたようです。面白い。

IMG_8108

Naul / Baby Funk

EnchantmentのGloriaを激唱し、Jesse Powellのカバーを完全に超えたと一部の方にw話題になったNaul。韓国籍とは思えないソウルフルな喉に驚嘆したのもつかの間、またまたシングルをドロップしてくれた。
2月8日にリリースされたシングル”Baby Funk”・・・YouTubeで聴いてまた撃沈。軽やかなファンクではありませんか。軽やかなというのはNaulの優しく余裕のあるボーカルであり、サウンドはシンクラヴィアなのか野太いベースにスペイシーなシンセがなぞる、まさにニューヨークファンク。実にかっこいい。今回も一部の韓国語を挟むものの、綺麗な英語です。
前回のGloriaではアフロアメリカン系のバレーダンサーが部屋内を踊っていましたが、今回も男女がなぜか部屋内を所狭しと踊るビデオクリップ。意味があるんでしょうかw
ここまでシングルが充実していれば、おのずとアルバムを期待せずにはいられません。

Naul / GLORIA

昨日、Twitterにてソウルファンに衝撃が走った。いや俺を含め一部かもしれんが、相当やられたよ。

コーラスグループEnchantmentの”GLORIA”はソウルファンなら一度は聴いてる名曲だ。「かえる」のジャケットで有名なMichael Stokesがプロデュースしたスウィートソウル名盤は、ソウルファンの自宅に一枚はあることだろう。このナンバー、1996年にJesse Powellにも素晴らしい喉でカバーされた。

そのナンバーを韓国のヴォーカルグループBrown Eyed Soulのメンバー”Naul”が本家、そしてJesse Powellをも凌いだのでは?と思わせる超ど級カバーを披露してくれた。俺自身はこのNaulも所属するBrown Eyed Soulも知らないが、なにやら韓国ではナンバー1のボーカリストして認められているらしい。俺が驚いたのはネイティブと一切遜色のない英語力、そしてファルセットを交えた表現力の豊かさ、更に楽曲をも海外ミュージシャンに頼らず70’sの厚みのあるサウンドをリメイクしたプロダクション能力にも感嘆した。現行R&Bのレベルが、日本はフィリピンに劣っていると思ってはいたが、どうやら韓国にも完敗している・・・。点点点だよほんと。

Jesse PowellのGLORIAで過去、感動したもんだったが、同じくらい、いやアジア系のミュージシャンがここまでやるのかという驚きも含めたらその時以上のものがあるナンバーにぶちあたった。
シングルにはスレイベル(サンタクロースのそりに付けられたあの鈴)がイントロで聴けるクリスマスバージョンともいえるGloria(Year End Version)も収められている。こちらは極力アカペラに近いトラックでよりボーカルが際立ち更に聴きごたえあり。