まずはジャケット、メンバー写真のキャメオ(工芸品)が汗かいた胸元に輝くというかなりのインパクト。さすがファンクバンド、センスがわけわかりません。しかしやってる音楽がソウル真っ芯でまとも。ラストのスウィート・ソウル”Stay By My Side”を聴きたくて何度も針を落としたな。ソウルバーで初めて聴いてこのバンドはなかなか甘茶センス高いなって。
Motivation…まったくメンバーと関係のない女性4人が艶かしく挑発するジャケも、ある意味ファンクしており(笑)とてもいい。 De-LiteレーベルといえばKool & The Gang,Crown Heights Affairといい、ややポップな味付けもなされており、これも例外ではありません。B-1 “Give The Give Of Music”なんぞはフィリー系モダンダンサーで陽気そのもの。
重要な2面性があり、ひとつはA-1 “Motivation”,B-2 “Stop!!!”によるヘビーファンク気質。Reddingsかと思わせるスラップベースが荒くれる。A-2そしてもひとつはスウィートマナーにのっとったバラッドの美しさ。 柔らかなウォーキングテンポのA-2 “Crazy Daze”,SwitchのI Wanna Be Closerを彷佛させる激甘A-3 “Please Don’t Say No”と心とろけるナンバーは最高だ。 CDも売ってはいるが、これは原盤でのジャケットを含めたインパクトを味わっていただきたい。
私的にはこのアルバム前のMelba Mooreにはあまり興味がない。ミュージカル女優としてキャリアをスタートさせヴァン・マッコイ”This Is It”等が有名でしょうが。その後ラリー・レヴァンがParadise Garageでヘヴィ・プレイしていたとされる78年の”Pick Me Up,I’ll Dance”がMcFadden And Whitehead作品でヒット、自分にはどうにもノリ中心のナンバーに辟易するタイプ(ベタなディスコが苦手)でスルーしてしまう。
そしてこのアルバム。基本McFadden And Whiteheadがプロデュース。彼らのブギー、”Let’s Stand Together”の1曲目に尽きるのですが、これが81年としてはなんとなく泥臭く、”Ain’t No Stoppin’ Us Now” に通じる、緩くていい意味で70年代のディスコの匂いを継続しているナンバー。この後のメルバの洗練されたナンバーからは遠いのだが。
このナンバーのダサかっこ良さを打ち消すようなナンバーがA面ラストにある。”Take My Love”がそれである。Kashifによるナンバーで、これこそ快進撃を続ける序章作といって過言無いだろう。Kashifが奏でるMoog Bassがボトムを締めながらも煌めくようなシンセが心地よく、ここには自分が追い求める「都会的で洗練されたファンク」があり何度聴いても脳天に衝撃を覚える(笑)
ニューヨーク系ファンクにほんの少しばかり陶酔したわたしにはBoogie Timesというこれまた恐ろしい程のコアでオブスキュアなレーベルを追いかけた時代もあった。が、それも過去。一時のファンクブーム、これは言葉ではうまく表現できないが洗練された都会のファンクといったいいのか(笑) Phyreworkの掘り越しやHome Boy And The C.O.L.といった誰も聴かないようなバンド、Paradiseというこれまたゴージャスな夜を演出してくれるアルバムのリシュー等、快挙に暇がなかった。