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Cameo – Cardiac Arrest (1977 Chocolate City )

Cameoを好きな方っていらっしゃいますか。周りにあまりいないようなw

あまいもすぃーも知ってる渋いオッサンしか聴かんやろなw

なんせ大所帯のファンクバンドは当時のアースとか知ってるひとやったらまだしも、普通見た目暑苦しくて敬遠するでしょ。初期はそうやし、3人になってからもちょいゲテもんやしな。(なぜ赤いカップをしてるのか未だにわからん)

しかしソウル好きな方は絶対に通らないといけない関所みたいなもんで、それでいいんです。かのマイルス・デイヴィス が彼らのファンということで有名ですね。

今回はデビュー作『Cardiac Arrest』

まずはジャケット、メンバー写真のキャメオ(工芸品)が汗かいた胸元に輝くというかなりのインパクト。さすがファンクバンド、センスがわけわかりません。しかしやってる音楽がソウル真っ芯でまとも。ラストのスウィート・ソウル”Stay By My Side”を聴きたくて何度も針を落としたな。ソウルバーで初めて聴いてこのバンドはなかなか甘茶センス高いなって。

この後、キャメオシスをめっちゃ聴きましたが最近はそんなに聴いていないような。82年のアリゲーター・ウーマンが5人編成で少し削ぎ落した感が出てきてよかったかな。後期は一通り聞きましたがずっと聞き続けているものがないと思う。

だからこのソウル度高いこの1stは好き。まったくレア盤ではないので店頭で1,000円程で買えます。

T.S.Monk – House Of Music

ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクの息子、T.S.Monk

このアルバム”House Of Music”は1980年Atlantic傘下のMirage Recordからのデビュー盤となります。

CD化され久しいですが今はSpotifyでも聴けますね。

自分自身は有名な冒頭曲”Bon Bon Vie”をネタづかいから知りました。現行で知ったわけでないです(笑)

王道ダンス・クラッシックBon Bon Vieは一般的にパブリック・エナミーの”Welcome To The Terrordome”がネタづかいが有名ですが。

自分の場合はブラック・ストリートの1stアルバムに収まる”Good Life”から知ったしだいです。イントロより繰り返されるBon Bon Vieのフレーズが離れないといいますか。

このアルバム、この曲が強烈なインパクトで他曲がくすみがちなのですが、私的に超おススメナンバーがB面にあります。このモダンソウルだけで何度も繰り返し聴いています。その曲は”Can’t Keep My Hands to Myself”です。

なんともいえないベースの穏やかなフレーズから始まりリズミカルにギターがカッティング、その後女性ボーカルが明るくコーラスしていく高揚感溢れるナンバー。天を仰ぎながら踊りたくなる(笑)スペシャルなナンバーです。

曲との出会い・・・Bon Bon VieはBlackstreetから。そして自分にとっての好きなナンバーがアルバム購入後に出会えたという、やはり音楽全般の繋がりって大事ですね。

Motivation (1983 De-Lite DSR8506)

1983年リリースのファンクバンド”Motivation”

このアルバムを聴くと大阪キタのソウルバーTracksを思い出すな。(おそらく現在閉店)
このアルバムが流れていた時、常連さんの林さん(お名前覚えています)が絶賛していたんだ。こんなスラップベースはなかなか聴けないぞと。マスターに向かって叫んでいた(笑)微妙な距離感で座っていたわたしは、空気を読み素直に頷いていました(笑)
もう閉店してだいぶ経つけど、旧渋谷レコファンで大量のストックを見かけた。すげえファンク好きなバイヤーがいらっしゃるだなぁと妙に関心したもんだ。

Motivation…まったくメンバーと関係のない女性4人が艶かしく挑発するジャケも、ある意味ファンクしており(笑)とてもいい。
De-LiteレーベルといえばKool & The Gang,Crown Heights Affairといい、ややポップな味付けもなされており、これも例外ではありません。B-1 “Give The Give Of Music”なんぞはフィリー系モダンダンサーで陽気そのもの。

重要な2面性があり、ひとつはA-1 “Motivation”,B-2 “Stop!!!”によるヘビーファンク気質。Reddingsかと思わせるスラップベースが荒くれる。A-2そしてもひとつはスウィートマナーにのっとったバラッドの美しさ。
柔らかなウォーキングテンポのA-2 “Crazy Daze”,SwitchのI Wanna Be Closerを彷佛させる激甘A-3 “Please Don’t Say No”と心とろけるナンバーは最高だ。
CDも売ってはいるが、これは原盤でのジャケットを含めたインパクトを味わっていただきたい。

Melba Moore – What A Woman Needs

HUSH系プロダクションの切り込み隊長として華を咲かす重要作。81 年作でR&Bアルバムチャートでは46位。

私的にはこのアルバム前のMelba Mooreにはあまり興味がない。ミュージカル女優としてキャリアをスタートさせヴァン・マッコイ”This Is It”等が有名でしょうが。その後ラリー・レヴァンがParadise Garageでヘヴィ・プレイしていたとされる78年の”Pick Me Up,I’ll Dance”がMcFadden And Whitehead作品でヒット、自分にはどうにもノリ中心のナンバーに辟易するタイプ(ベタなディスコが苦手)でスルーしてしまう。

そしてこのアルバム。基本McFadden And Whiteheadがプロデュース。彼らのブギー、”Let’s Stand Together”の1曲目に尽きるのですが、これが81年としてはなんとなく泥臭く、”Ain’t No Stoppin’ Us Now” に通じる、緩くていい意味で70年代のディスコの匂いを継続しているナンバー。この後のメルバの洗練されたナンバーからは遠いのだが。

このナンバーのダサかっこ良さを打ち消すようなナンバーがA面ラストにある。”Take My Love”がそれである。Kashifによるナンバーで、これこそ快進撃を続ける序章作といって過言無いだろう。Kashifが奏でるMoog Bassがボトムを締めながらも煌めくようなシンセが心地よく、ここには自分が追い求める「都会的で洗練されたファンク」があり何度聴いても脳天に衝撃を覚える(笑)

Magoo – Let’s Have A Boogie

フランスの角松敏生と少しばかり揶揄したような表現で過去記事にしていたMagooことPhilippe Bouthemy

揶揄といっても両者とも尊敬の念が尽きないひとである

ニューヨーク系ファンクにほんの少しばかり陶酔したわたしにはBoogie Timesというこれまた恐ろしい程のコアでオブスキュアなレーベルを追いかけた時代もあった。が、それも過去。一時のファンクブーム、これは言葉ではうまく表現できないが洗練された都会のファンクといったいいのか(笑) Phyreworkの掘り越しやHome Boy And The C.O.L.といった誰も聴かないようなバンド、Paradiseというこれまたゴージャスな夜を演出してくれるアルバムのリシュー等、快挙に暇がなかった。

そんなレーベルから2010年、アルバムデビューしたMagooは後の80’sブギーブームの先駆けであったのには間違いなかった。

今でこそTuxedoやT-Grooveなどのブギー専門プロダクトは周知されているが、それよりも真っ先に80’sブギーを届けてくれていたのである。そして2019年、Enois Scrogginsを抱えるFunkysizeレーベルから待望の2ndアルバムを発売。ブギー信仰者の復活にファンクファン血眼でディスクユニオンらディストリビューターにて購入した方々も多かろうが、そこは腰の重たいわたしはもちろん買いそびれました(笑)

なにせLPは初回300枚プレス、CDは500枚プレスのみだったらしく予約でほぼ売り切れたようで。世界には数百人(笑)レベルで変態ファンク・ファンがいるということであるね。初回盤は1万超えです泣

やっとのことで2ndプレス盤が流通、無事入手することができました。CDですけどね。CDは約500枚ほどでプレスされたようです。LPは早速リシューも売り切れで既に8,000円前後で流通中。怖いですね。

さてそんな前置きばかりでしたが、内容は抜群でした。細めのファルセット気味で歌い上げるMagooの声が軽めのシンセ音と絶妙に合うのですね。タイトルトラックなんぞはTuxedoの新曲っていいほど色々極似しているのですが、正直こちらが本家本元だから流石としか言いようがありません。

昨年アルバムデビューしたJay Diggsの存在で私の中でまたブギーブーム到来。最近のアーティストを少し掘りつつあります。その中の一人でいいMagoo、本家なのですから悪いわけがありません。サウンドはどこを切っても唸ります。一人よがりになっていないところがいい。実際、Magooはクレジットを見ると5人くらいのユニットでドラムプログラミングとギターは専任がいるようですので、Tuxedoのバンド形態を思い出してくれたらわかりやすいです。しかしシンセ音がいちいちヨダレもんでピコピコ懐かしいMtume系の音があればポップで弾けるKashif系の音もありで、これぞニューヨークサウンドといったナンバーがびっしり。少しばかりBPMを落としたミッドスタイルなんぞはSOS Bandをスリム化したような様相もありで、もう自分が浮遊している感覚に陥りますね笑。まさにナチュラルハイになる音とはこのことか。