閉じる

THE LIMIT (aka OATTES VAN SCHAIK ) / THE LIMIT

オランダのBERNARD OATTESとROB VAN SCHAIKの2人組”OATTES VAN SCHAIK “

オランダのホール&オーツ…というポップデュオ的な扱いで売り出されたというが確かに間違いやすい名前だ。

ややこしいのだが、ふたりのグループ名が通称”The Limit”でブラックミュージックファンには「イエローの標識ジャケット」としてこちらのほうが親しみやすいかな。ふたつの名前があるというのはまぎわらわしい。実際にジャケット違いでOattes Van Schaik – Love AttaxxというタイトルのLPも販売された。カナダ盤はこの名前らしい。

AOR~ニューヨークサウンド再燃の草分け的なグループ

AOR~NYサウンド好きにはマスト盤のこのLP 、2009年にPTG RecordsがCDとして再発された。
CD化するということで、ボートラにロマンティック・ディスコ(笑)のシングル “She’s So Divine”が挿入されていれば…とほのかな期待をしておりましたが、残念ながらそれはなし。それは別として、AOR,ブラコンファンのマスト盤発売は非常に嬉しいことであった。


そもそもの出会いは

このThe Limit、もう移転してその場からなくなったが横浜の麦田町にあった伝説のソウルバー”Sugar Shack”(現在は川崎でご出店)にて定期的にDJをされていたdaddykayさんに聴かせていただいたのが最初。いつも聴いていたファンクとは違ったものであった。

白人がやっているのでどうしてもブラックミュージックから乖離があるが逆に洗練されたサウンド、情緒的で感傷に浸れる旋律。それはなぜかわたしの心の琴線に触れたものであった。

その後、東京では従来のダンスクラッシックスと一線を画すニューヨークサウンドのマニアックなブームが到来。このThe LimitやCool Notesのヨーロッパ系とレアなファンクを中心にトレンドとなる。2002年には六本木のVIETTIで”NY STYLE”というニューヨークサウンドのイベントも開催され、わたしも涙を流しながら踊った記憶がある(笑)


キャッチーなスペシャルダンサー”Say Yeah”やNY Soundのお手本とも言うべき”Destiny”、ブリッジの掛け合いが美し過ぎる”Could This Be Love”等、素晴らしい80’sナンバーが入っている。

ニューヨークサウンドとしてのブームは去った今だが、AOR~ディスコ・ブギーとしての括りで長く愛されるアルバムだろう。

※この記事は2009年10月に投稿したものを再編集したものです

Al Sunny – PLANETS

先月末の疲れた週末の帰りに、まっすぐ帰る気分にならなかった時、下北沢のVinyl Bar “TIME”にお邪魔した。ここは基本Soul、Funk、AOR中心に美味いお酒を提供してくれる今風なBar。ソウルバーという概念をいい意味で覆してくれたところ。カジュアルで敷居が低いのよね。

HPはこちら

2度目だったのですが、基本リラックスできる音を年代やジャンルを分け隔てなくかけてくれる。で、かけてくれてる音はカウンター前でジャケットを立ててくれるのでいちいち尋ねることなくチェックできます。

ソウルバーってところは少しばかり知ってるナンバーがかかると嬉しいし(これいいやんっていう再発見)、知らないナンバーがかかると脳内がグルグル回り記録しようと努めていく。

Al Sunny

なにこの心地よいサウンドとナイーブな声は。まず1曲め”How Does It Feel”で崩れ落ちてしまった。

店主様もおっしゃってたけどAORの一人者ネッド・ドヒニー ( Ned Doheny )に連なる。涼し気でどこか爽やか、そして優しくメロウ。最近、長引くコロナや暑さでストレスだったし、更に仕事の疲れもあった自分にはジワーっと染み渡った。

ネッド・ドヒニーはうん、と理解できたけど他に思いついたのが青空の背景が一緒のFuture Flightや初期Maxwellのクラッシックなネオ・ソウルにも結びついた。それぞれを聴きだすと次にリオン・ウェアとかも聴きたくなるという、ソウルファンあるあるの妄想劇が始まってしまう笑

Al Sunnyはフランス人でまだ25歳、アルバムはこれで2枚目ということで先々が非常に楽しみなミュージシャンだ。
基本サウンドは生音中心だが、クレジットにはRhodes、Clavinet  、Prophet 、Moogと、メロウ・グルーヴサウンドに必須な名器が記載されていた。最低限の電子楽器は取り入れてるようだ。

LPを購入したが、意外や低音がビシッと効いたしっかりとしたサウンドだった。今年も新譜を購入することがほとんどないがDonny Benetに続き、サブスクでなくアナログで現行を聴くなんてちょっとした驚きでもあった。

最近気になるひと – Donny Benét

Twitterで知りました。まずはツルリンとした頭、逆にフッサフサの後ろ髪、ピンクのジャケット、どこか尋常でないこの風貌、街中であったら目線を合わしたくない感じですw

オーストラリア・シドニーを拠点として活躍するソロレコーディングアーティスト”Donny Benét“ 見た目は別として音楽マニアのようです。

イタリア系のオーストラリア人で2000年から業界の下積みスタートし2011年にソロデヴュー。ジャンルはポスト・ディスコ。ポスト・ディスコといってもよくわからないですが、80’sのディスコミュージックに影響を受けたことには間違いないようです。曖昧ですがイタロ・ディスコ / ブギーの現代解釈、80年代華やかな時代の郷愁に満ちたダンス、スウィートなナンバーを繰り出しています。

CHICのベーシストBernard Edwardsの大ファンであり、ジョルジオ・モロダーを信仰、歌手ではなぜかヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードが好きのようで。それぞれ公言しています。

YouTubeで再生回数の多いナンバーにこれが

Donny Benét – Konichiwa

日本語で「こーに~ちわ」とキャッチーに歌うナンバー。VHS、ブラウン管のTV時代を模すアスペクト比4:3で映し出され、あえて画質を落としたまさに80’sのビデオクリップ。ピンクのスーツを着こなした怪しきDonny Benetが何人も出てきて途中サックス奏者の背中には炎が燃え上がるという、なんともシュールな世界感。

一発で引きこまれました。

それ以外にも自身のチャンネルでは日本のNHKでインターヴューされたというクリップが(嘘やろwww

自慢の楽器紹介となっているが(笑)

プロフェット5やMinimoogなどの往年のシンセサイザーが。やはり80年代オタクだ。そしてスタジオの壁には別の日に撮ったと思われる画像に

PrinceやKashifのレコード、Rick Jamesのポスターが壁に飾られている・・・やはり80’sのファンクが大好きのようで。そして日本びいきであることも判明。

日本のトラックメーカー T-GROOVEさんが「脱力系イタロ・ディスコ」とネーミングされていた。

ツルッパゲで体毛濃ゆくファッションはダサい、でも喋り口調は穏やかでトラックが最高。なんだか気になる要因が多過ぎる。これは追いかけるしかないかな。

5月22日に”Mr Experience”というNEWアルバムリリース。購入予定です!

Lee Ritenour / Rit

f:id:smoothjam:20190915110617j:plain

Lee RitenourのRit。81年の作品です。このアルバムを購入したきっかけは”Is It You?”でした。

それもこのアルバムにあるナンバーでなくYouTubeで見たPhil Perryがライブで激唱する姿で知ったのでした。

Smooth Jazz寄りのミュージシャンとの接点の多いPhil Perry。Lee Ritenourのライブに参加してたようです。汗を流す暑苦しいオッサン顔は見つめることができませんが、この熱さがいいではありませんか。流石です。

そこで原曲にとなったのですが、本来のアルバムではAOR寄りのシンガー”Eric Tagg”が歌っており、Philとは全然似つかわしくない爽やかなナンバーだったのでした。David Foster, Harvey Masonが客演。酒脱なAORに仕上がっています。

全体的にSmooth Jazz – AORなアルバムですが、1曲この時代だからこそのファンクナンバーがあります。ボコーダーがDaytonみたいでブリリアントなトラック”Countdown (Captain Fingers)”がイカしています。ここはLee Ritenourのソロは抑え気味にシンセとベースをメインで構成してくれたらもっと良かったかもしれませんw

Ned Doheny / Hard Candy

f:id:smoothjam:20190813184252j:plain

更新頻度高めでしょうかw

普段、月1くらいの更新頻度ですが、お盆休み、そしてブログ引越して使い勝手お試しという気分高めとありこのように。

今日はNed Doheny。ブラックミュージックではないやん、ってなご意見もあろうかと思いますが、AORもたまに聴きますしカテゴリーもJ-POPてなものも残しているとおり幾分雑多なブログはご容赦を。

澄み渡った青空、ああナイアガラや初期達郎のアルバムをイラストした永井博さんや鈴木英人さんの作品を彷彿させるクリアなブルースカイ。そんな夏気分に聴きたくなる爽やかな印象のジャケット、音楽もそれにインプレッションされるものもありますが、なんとまあ叙情的で夕暮れの空が似合いそうなナンバー多し。

When Love Hangs In The Ballance (邦題:傷心の恋)はジャケットの印象と真逆でアコギと悲しげなストリングスが印象的でまた旋律にも泣ける。アヴェレージ・ホワイト・バンドのHamish Stuartとの共作”A Love Of Your Own”はスウィートソウル名作で有名なナンバーでありソウルばかり聴いているわたしにもスーっと心に浸透してくるナンバーです。

ジャケットの印象に合うナンバーなら”Each Time You Pray”(邦題:愛を求めて)の軽快なダンサーはどうでしょうか。Seawindをも彷彿させる夏の暑さを和らげてくれるようなナンバーです。

AORの代表作と取り上げられることの多いアルバム、納得です。