Johnny Gill – Still Winning

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Johnny Gill,15年ぶりのソロ作が本当にリリースされました(笑)
一番、ソロ作を期待し続けたアーティストだけに喜びもひとしおです。
もちろんNew Edition、LSGでの活動があったので15年といっても「今まで何してんねん」という往年のブラコンアーティスト復活劇とはまた違ったものがありますが。
なにせ、ソロでこそ生きる声、ソロだからこそ圧倒させる存在感ていうものが、このひとの場合抜きんでてるんですよね。
アルバムの発売は紆余曲折でした。昨年くらいから本格的にリリースの情報が入ってきましたが、いかんせん新参もののマイナーレーベルと契約を交わした危うさというか。CEOであるIra とのリーク音源が発端であった訴訟問題は記憶に新しいところ。それまでにも、Johnny自身が納得するプロダクションでやりたいということもあって、制作者も多岐に渡り、構成の練り直しにも時間がかかったようです。一時、Teddy Rileyと急接近といったこともありましたが、Teddyとのナンバーは収められなかったようですね。

さて、本題。アルバム全曲紹介です。

“Still Winning”
ChingyやT.I.を手がけるSanchez Holmesのナンバー。ていうことで今風なアッパーです。昔のJohnnyを知ってる方には意外かも。ま、ニュージャックとはビートも違うか。

“Let’s Stay Together”
Bryan Michael Coxのナンバー。ダークなメロディながら沸々と湧き出る感情を抑えきれないボーカルがさすがの表現力。

“In The Mood”
先行シングルであったこのナンバーはDave Young作。ファルセットと地声の行き交いはかなり難しいと思うが、ジョニーのスキルだと朝飯前?

“Just The Way You Are”
Troy Taylorのナンバー。イントロから胸キュン度高し。今風な押さえ気味ミッドは似合わないかと思ったが、噛めば噛む程、味が滲み出るナンバーという感じ。

“Black Box”
旧知の仲、Jam&Lewisのナンバー。ソロアルバムでの復活はJam&Lewisの助言もあったといわれています。「皆がそろそろ君の声を聴きたがっているよ」と。難しいコード進行。曲調から荘厳なオーケストレーションがあってもいいかと思うが、シンプルなピアノフレーズが逆にホロりとさせられます。

そして後半です。怒涛のソウル度高めのスロウが続きます。

“Long Long Time”
LSGでユニット組んでいたKeith Sweat、亡くなったGerald Levertの親父、偉大なるソウル・レジェンドEddie Levertを迎え、まさに現行LSG。考えたら凄いユニットなんだが。彼らは家族間の繋がりを大切にしてるし、伝統を重んじる精神を持っているからこそ、時代を超越したナンバーを繰り出してくれた。

“2nd Place”
Troy Talorのブレーンである若きミュージシャンKevin Rossの作品。KevinはJohnny Gillの弟であるRandyにも曲を書き下ろしており、これからも見逃せない存在。全編ファルセットで通すオーソドックスなバラッド。

“Who Is He”
これはJohnnyがほぼ製作。アルバム中、一番の濃密なスロウ。こういうのを待っていましたと震えて感動。

“It Would Be You”
ノスタルジックな趣きのあるスロウはTroy Taylor作。今回Troy Taylorとはがっつりタッグを組んだようです。

“My Love”
ラストはPaul McCartney & Wingsのナンバー。Jam & LewisとFlyte TymeのJames “Big Jim” Wrightがプロデュースしたこのカバー、原曲に忠実なのは前半ぐらいで後半はアレンジされJohnnyのスキットが炸裂。意外性のある曲を選んだと思うが、メロディの美しさからしてラストに相応しく、展開的にLuther Vandrossを彷彿させる歌世界。大きなコンサートホールで歌ってくれれば鳥肌もんでしょう。歌がうまいひとじゃないと、こんなことできません。

以上。

リーク騒ぎで話題になったMight Cryはオミットされたようですが、全10曲、約45分というクラッシックなアルバムのような編集がまたよし。繰り返して聴きたくなるトラックタイムっていいじゃないですか。
年末には来日、またNEのアルバム製作も予定しているとか。ますます目の離せないJohnny Gillです。

hiroo

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