Earth,Wind & Fire / Spirit

「うちは自らアースかけないんですけど」
そんなソウルバーもあった。超有名曲をリクエストされ、それを営業的にプレイしないといけないという辛さ。わかる部分もある。
だいたいの一般客、それはソウルやR&Bを日常的に聞いていないひとにとって、アース=セプテンバー、てな固定感とそれしか知らないという両面しかない。
営業用にアースのアルバムをストックしても、通常はかからないというのは寂しくもある。
更に、コアなソウルファンから「アースなんて」
てな穿った見方をする風潮も少なからずあるのも事実。これも残念なこと。

アースは普通に凄いバンドであり、アルバムトータルで聞いたときの満足感は、他のファンクバンドを寄せ付けないものがある。
たとえばこの「SPIRIT」、わたしの一番大好きなアースのアルバムだが、リリース時期は76年。絶頂期である。
このアルバムからご存知、”Getaway”が生まれている。素晴らしいナンバーだが、それ以外のナンバーもミラクルで、整合性、音の厚み、そしてこの時代だからこそのナチュラルな楽曲の暖かさなどが満喫できる。フィリップベイリーの声も一番ハリのある頃ではなかろうか。

BlackstreetがLEVELIIのオープニングでそのまま使用した、オーケストラのふくよかなフレーズが素敵な”Earth,Wind & Fire”というナンバーもこのアルバムからだ。
あらゆるアーティストに影響を与えたアース、わたしもすべてを聞いたわけではないので、大きなことは言えないが、彼らなくして80年代のファンクバンドはなかったと思う。

hiroo

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