Johnny Gill / Game Changer II

最終更新日

Comments: 4

Johnny Gill – Game Changer IIが発売になりました。前回のアルバムは2014年ですからそれから5年ぶりということでしょうか。間にNew Editionの新譜製作も噂がありましたが、それは頓挫したようです。5年っていうブランク、もう大御所なのですからそれくらいはあってあたりまえなんでしょうけど、アルバムコンセプトの決め事、楽曲を煮詰めてスクラップしていく作業など、時は経ってしまうのでしょうか。

前作Game Changerでソウルファンに捨て曲と批判されていたEDMナンバー”Guinevere”がありましたが、今回はそれに匹敵するソウルとはほど遠いナンバーが2曲、レゲエ調の”Only One”と、ラテンの影響を受けたパーカッションを披露するシーラEと、カルロスサンタナとのコラボ作品”Fiesta”「フィエスタ」に腰が抜けてしまいました。ジャンルレス、といえばそれまで。こういう挑戦的なナンバーがアルバムに必要なのでしょうか。お祭り騒ぎが好きそうなジョニーギルなのでアリなんでしょうけど、ライブだけのナンバーにしてほしかったな。

中盤にある”Best Thing”ももひとつですが、前述の2曲と同じくこの作品もElvis Williamsのもの。どうやらこの新プロデューサーはBeyoncéやCiaraを手がけている人気プロデューサーらしく、その抜擢がいまいちジョニーと相性が良くないのではと思いましたね。

いろいろと要求が高いですが、それはファンだからこそ。いつも極めて欲しいのですよ。

それ以外のナンバーは最高です。前作から引き続き相性のいいGregg Paganiとの作品がメインで、ラストはなんとJam&Lewisです。

3 Soul Of A Woman
4 Perfect
5 Bed On Fire
7 Favorite Girl
8 Lose A Lover, Keep A Friend
9 That’s My Baby
10 Home
11 So Hard

3曲抜いたリストですw

8曲ですか。これだけのナンバーがあれば十分このアルバムは「買い」でしょう。

シングルカット”Soul Of A Woman”はジョニーの音楽史に残る名曲だと思うし、盟友関係にあるRalph Tresvantとの”Perfect”はNEファンにとっても嬉しいもの。

そして一番のナンバーは”That’s My Baby”でしょう。これはLuther VandrossのSuperstarのように感じませんか。女性への賛辞、人の憂いに謳うルーサーそのものでオマージュと捉えるべきでしょう。ラストにはMy My Myと繰り返しあのナンバーをも思い起こさせる迫力です。圧巻のバラッドでした。

“Bed On Fire”はベッドで燃え上がる、50歳を過ぎてもまだまだ盛んな自身の腰使いを歌った熱くエロく迫るナンバーで、アホみたいに吠えすぎです。

そしてBabyfaceやAfter7ファンも歓喜、After7のKevon Edmonds参加”Home”はアンクル・チャーリーことCharlie Wilsonのような歌い方のジョニーと甘い喉のケヴォンの対比が美味しいナンバーでした。

最後に。プロローグからエピローグまであってのひとつの作品というアルバムとしてのコンセプトはジョニー自身から感じとれました。「音楽を通して女性を尊重することを常に優先事項にしている」と公言し、それをアルバムコンセプトにしているのも伝わりました。ルーサーヴァンドロスが亡くなったのが54歳、ジョニーももう53歳、今、自分がどういう立場でR&B SOULの世界で人々を引き付けていくかを体現しているに違いありません。

 

hiroo

シェアする