産経の舶来屋を読んで

産経で連載されている幸田真音さんの「舶来屋」に目を通した。連載は読んでいたわけでないが、深く感心した文があった。
日本でのスーパーブランドの行く末を案じているようだ。転載するのも大変なので要約してみる。

海外資本のブランド。現地法人の独立採算制をとっているから本社とはバランスシートもP/Lも別になる。
資本力にものを言わせて効率よく出店を広げていく分だけ、過剰な店舗展開、オーバーショップ状態に陥るのも早い。
世界の大都市では高級ブランドといえばせいぜい3,4店舗だが東京は10,15店を数えるまであっという間。
本社は絶え間なく商品を送り、収益アップのノルマを課して尻を叩く。当然ながら売り切り商品なので、売れ残りの在庫処分法としてアウトレット行き。アウトレットは在庫一掃に徹すると、今度はブランドのステイタスが落ちてプロパー商品が売りにくくなる。
みずからブランドの品位や格を落とし、価値を下げ、よけいに売れなくなるという悪循環に陥る。
「タコが自分の足を食べているようなもの」….

あくまでも小説の中の1小節だ。しかしスーパーブランドもしかり日本の衣料業界全体への警笛のような。
アウトレットは休祭日と未だに賑わってはいるが、皆さんご存知なのだろうか。アウトレット用に商品をも作っているという現実も。
となるとアウトレット価格に合わせる為、自ずと原価率の低い商品であることを。それっていい商品が安くっていうことではないよね。消費者ももっと賢くなろうよ。

不景気真っ只中、ファッション業界はもっと足下を見て進む転機にあるんではないでしょうか。

hiroo

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