Ment 2B

久々新譜で身震いしました。ここ何年間のグループものでは最高の出来じゃないかな。
突如現れた３人組”Ment 2B”。この１ヶ月ほどネットで絶賛されていたグループです。
グループ不毛の時代が続く中、本物の登場です。
グループに求められる「コーラスの精度、リードの身勝手なテンション、奪い取ろうとするセカンドリード、感極まるファルセット」をすべてクリアしています。

R&Bのメジャーシーンから逸脱しています。テイストは完璧に90’s初期のコーラスグループです。Guesss,Front Page,U-Mynd,Classic Example,Silkなどを聴きまくった方には涙ものでしょう。

もの悲しいピアノのイントロといきなりの雄叫びが、これから始まる劇場の幕開けにふさわしい”Too Long”、闇を引き裂くギターの音色と小刻みなコーラスのリフが印象的な”Lock Me Up”、チープな楽曲の心配をいとも簡単にボーカルパーフォンマンスで穴埋める”It’s You”、３人組と思わせない厚みのあるコーラス”Change”、最初のボルテージアップは次の”Hush”。ゴスペルタッチのハモンドオルガン風のイントロから始まるこの曲、アドレナリンが体中駆け巡り、抑えきれない感情をファルセットで表現する素晴らしいナンバー。このナンバーだけで「買い」です。
正直、この前半でこいつら合格点。しかしこれだけで終わりません。
小休止的なアップ”Wet”で一休み。さ、後半です。

変則ビートのハイハットもどこかしら懐かしい”Five O”は荒々しいリードが実にソウルフル。後半はセカンドボーカルがファルセットで切り込んできます。こういう展開をオヤジは待っていました。GOOD!
Brian Michael Coxバリのピアノイントロと、少々抑え気味のボーカルで始まる”Stay”。徐々に血管ブチ切れリードに様変わり。ファルセットとツインリードになる後半で、伝う頬の涙を拭う間もないくらいに。
紛れもなくこのアルバムのハイライトでしょう。

そしてラストの２曲です。
この２曲がまた凄まじい。
３人はどこまで歌い倒せば気が済むのでしょうか。K-Ci並に荒くれる”Rock Slow”。
“Spend Da Night”はIsley風ギターソロとファルセットリードが最後まで聞き手を離さない。LIL.Gがやりそうなフェイクを交え、幕を閉じます。

約47分全12曲、一気に聴かせます。素晴らしい3人組の登場です。