After 7 – Unfinished Business

もはや滅多に新譜CDを買わなくなった昨今。確かに好きなR&Bがリリースされないってのもありますが、なんとメディア主義のわたしもとうとうサブスクでよい?て傾向に侵されそうな日々であります。駄目ですね…
今年はSilk Sonicがリリースされたら買うぞ~って息巻いていましたが、楽しみは延期、来年リリースとなりました。そんな中で嬉しい往年のR&Bグループが5年ぶりの新譜リリースというニュース。そうAfter 7・・・嬉しい新譜CDの到着です。レーベルから直買いしたのでサイン付きです。鑑定しましたが本物でした(笑
もはや伝説の90年代ボーカルグループのAfter 7(アフター7)
2019年に亡くなったメルヴィンエドモンズから最初のプロジェクト、Unfinished Businessが発売されました。アフター7はメルヴィンが体調を崩してから息子ジェイソンが加わり前作の”TIMELESS”では4人体制でした。メルヴィンが亡くなりその後ジェイソンが脱退、新たにDaniel SkyHigh McClain ( Danny McClain )が加入しこの新しいアルバムをリリースすることになります
新たな意気込み
フロントマン、ケヴォンはこのアルバムについてこう語っています。
「私たちを知っているファンや知らないファンでさえも、私たちの音楽を探求し、共有することがまだまだあると感じたという事実をアルバムにしたんだ。」
より高みのグループにしていこうと。そしてあえて未熟なジェイソンから実力のあるダニーにメンバー変更したのには意義があります。

ブルックリンで生まれケンブリッジで幼少期を過ごしたダニー。お父さんはオルガン奏者で彼にピアノを教えたそう。成人になる前に教会でゴスペルを唄い沢山のR&B、ブラコンを聴いて育ったようです。
ダニエルのソロ時代、音源は結構残っています。確かに唄える…
ケヴォンはダニーのことをこう語っています
「ダニーは独自のサウンド、テクスチャー、トーンを持っています。私たちが求めていた音に同化して近づく彼の能力。誰もがテーブルに何か違うものを持ってきますが、ダニーはぴったりであることがわかりました。それは、私たちが彼に何を学ぶ必要があるのか、そして私たちが彼にどのように提供してほしいのかを学び、オープンになりたいという飢え、情熱、そして意欲と大きく関係していると思います。ダニーは、このブレンドを得るのに何が必要かを知りたがっていました。私の声とキースの声は、アフター7のサウンドの非常に重要な部分です。キースは暖かさをもたらし、ダニーもその能力を持っています。人々はダニーのボーカルが私のものに似ていると思いますが、彼はいくつかの異なる方法でいくことができます。」
まだまだ数回しかアルバムを聴いていませんが確かにダニーの声はケヴォンに似ています。テナーではありますが甘さだけでなくケヴォンより男性的に表現できるボーカルワークを持ち備えています。

キースの安定したコーラス、ケヴォンの甘いハイテナー&ファルセット、そしてダニーはリードをも取れる表現力豊かなテナー、この3人の見事なハーモニーはアフター7のアイデンティティーを崩さず前進できる姿です。メルヴィンを偲び称えつつもグループを存続していくんだという3人、わたしはこの新アフター7の意気込みに感動しました。
鉄壁なプロダクション
このアルバムの制作陣ですがDamon Thomas (from The Underdogs) が中心のようです。そしてStokley Williams (from Mint Condition)の名も。
1曲 Babyfaceが素晴らしいナンバーを共同プロデュースしています。流石と唸りました。3曲目”Tomorrow Can’t Wait”です。やはりアフター7=Babyface (ベイビーフェイス)といった関係は崩しようがないでしょう。
先行シングルのExtra Mileを初めて聴いたときには、これは違う。。。と思ったものですがアルバムの冒頭に収まったら不思議なことにスムースなアッパーだと魅力的に感じました。そして先ほどのTomorrow Can’t Wait、7曲目にはこのアルバムで一番好きになったといっても過言ではない”Made A Man Of Me”というナンバーが。甘いコーラスをベースにケヴォンとダニーが交互にリードを取り合い、またファルセットを駆使しながら起伏のある感情表現に圧倒されます。これぞアフター7 !!と叫んでしまいました。
アルバムの完成度は半端ないと思います。どの曲も完璧です。捨て曲などありません。最初から最後までしっぽり、どっぷり魅了されながら甘いアフター7の世界に浸れること間違いありません。
今年は晩夏も短く少し早目の秋めいた9月が訪れました。秋に夜長に切なく胸に響くアルバムになるのではないでしょうか。